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日本人にはもう売るな! ネットで世界進出する方法 菅谷 義博

この本の著者、 菅谷義博氏は、2006年にモジ株式会社を設立し代表取締役に就任。海外向けオンラインストア""Plamoya.com""を開設しました。この、プラモヤオンラインは著書「日本人にはもう売るな!ネットで世界進出する方法」の中で、インターネットの機能を使って世界に挑む企業のひとつとして詳しく紹介されています。世界で人気のある日本の商品を、プラモヤオンラインがどのようにショップを立ち上げ、世界に向けての販売を可能にしたのかがわかります。

本の中で菅谷氏は、高齢化が進み生産年齢人口が減少し続けているこの国において、日本の市場は「過疎地のおじいさん」であるとし、「国内にしか市場をもたない企業は、どんなに頑張っても売り上げが伸びない。」と言います。著者の前著は「ロングテールの法則」および「続ロングテールの法則」です。前著では国内向けEC(エレクトロニック・コマース)を、また今回の「日本人にはもう売るな!」では海外向けEC(エレクトロニック・コマース)をすすめています。

この本のテーマ

海外へ向けてのEC(エレクトロニック・コマース / イーコマース)をすすめています。
基本的にインターネットを活用して世界進出をする方法をとります。これまでのように支店や支社を海外に構えたり、海外の業者に販売委託をするなどの方法をとらないので、低コストでの販路拡大が可能であり、これまでの海外進出にかかっていた膨大な時間の節約にもなります。そのため、個人や中小企業でも海外へのECは可能であるとしています。

日本の市場は確実に縮小へ向かっているので「海外へ販路を広げる」必要性があるとし、インターネットを活用して「世界進出」するための方策が具体的にわかり易く紹介されています。この本は2008年10月に初版が出版されました。2007年アメリカのサブプライム住宅ローン危機から、2008年のリーマンショック等を含む、世界金融危機のころです。初版を読んで多くの気付きとヒントを得た私は、以来この本をデスクの上に置き、迷ったときに手に取り読んできました。

今回あらためて読み返し思ったことは、本の内容は2015年の今、より説得力を強めているということです。日本人口は2006年をピークに減少を続けており、さらに少子化で高齢者の割合が増えています。消費行動の活発な生産年齢人口(15~64歳)の割合はますます減り、日本の市場が今後縮小していくのは確実です。円安・円高などの一時的な通貨の変化にかかわらず、世界に市場を広げていくことは、ますます重要になっています。

ネットで世界進出のメリット/その具体的な方策

「日本の市場は確実に縮小していくので、世界に市場を広げていくことは重要。」  では、インターネットを活用した海外への販路拡大のメリットと、その具体的方策とは? この2点について以下、おおまかにまとめています。それぞれのメリットと各ステップの詳細については同書にわかり易く説明されているので割愛します。私は、最初にこの本を読んだとき、いくつもの”気づき”があり、”具体的にどんなサイトで何をすれば良いのか”を知ることができたので、ぼんやりしていた方向性が見えてきたような喜びがありました。

●ネットで世界進出することのメリット
【1】低コストで商圏を大きく拡大できる
【2】国内に比べて競争が少ない
【3】景気変動や為替リスクが分散される

●世界進出の具体的方策(6つのステップ)
【ステップ1】海外のニーズをつかむ
【ステップ2】実際に売れるかをテストする
【ステップ3】検索エンジンに広告を出して展開する
【ステップ4】多言語での顧客対応
【ステップ5】海外との金銭のやりとり
【ステップ6】海外への配送

少し古いが2015年の今、より説得力を増す本!

もちろん、この本に書いてあることは著者が実際に行ったビジネスモデルであり、取扱う商品も皆が同じではありません。また、紹介されている色々なサイトのURLも今では使われていない古くなったものもあるかもしれません。しかし、どんなに優れた人が書いた本でも、他の人の成功例をそのまま真似てうまくいくとは限りません。

重要なのは、本を読んで参考になった部分を自分のビジネスにどう応用して活かすかです。”どんな商材を海外に向けて売るのか”、”誰に売るのか” ”配送や決済の選択肢は増えているが、自分は何を選ぶのか” 、 "語学の壁は高くないというが、本当にそうだろうか” など、自分自身の海外進出の方法(戦略)を考える手助けになるべきだと思います。

良い本は、「なるほど、そうか!」とうならせておいて、最後に読者を突き放します。今取り組んでいる自分のビジネスと、もっと深く向き合うきっかけを作ってくれた本は、私にとっての名著であり頼れるビジネス指南書と思っています。

これから海外に向けて商品の販売を行いたいと思っている人におすすめ

この本は、ネットビジネスをしている人や、これから海外に向けて商品の販売を行いたいと思っている人に特におすすめします。2008年初版発行の「日本人にはもう売るな! ネットで世界進出する方法」 ”ですが、海外への販路拡大の必要性はますます高まっています。急激な高齢化の進行と生産年齢の減少で、購買力の上昇は期待薄の日本市場。しかし日本の商品は世界中で人気があるので、国内には海外からの観光客数の増加を図り、同時にインターネットの機能を使った海外進出で商圏の拡大を図ることをすすめています。菅谷氏のすすめる、海外向けEC(エレクトロニック・コマース)の可能性と期待感はたかまるばかりです。

「日本人には売るな!」と刺激的なタイトルですが、本の内容は、海外向けECを実践していくための、便利で誰にでも使えそうなツールが数多く紹介されています。これだけ選択肢があると、自分にもできるのではないかとの期待感を持って試してみたくなる本です。

日本人にはもう売るな! ネットで世界進出する方法

日本人にはもう売るな! ネットで世界進出する方法